親友であり、結婚を真剣に考えた相手でもあるヤスを失ってしまい、抜け殻のようになっていましたが、
なんともありがたいことに、そんな状態で受けた歯科医師国家試験に受かることのできた私は、就職後鬼のように仕事をしました。
早朝から深夜まで、ハードな仕事も喜んでこなしました。
恋愛しようという気持ちには全くならず、仕事は辛いことを忘れるための大きな手段でした。
今思うと何て長い時間を、あの出来事を忘れるために費やしてしまったのだろうと思います💦
あの恐ろしい日から5年ほど経った時、友人を介してヤスが結婚したことを聞きました。
相手は私の全然知らない女性のようでした。
その時、自分でも驚くほど何も感じなかったのです。
あまり興味が湧かなかったと言った方が正しいかもしれません。
そのことで、自分自身があの出来事を乗り越えることができているんだと感じました。
そして、ふと思ったのです。
「このままだと私の人生、仕事だけで終わってしまう」
「家庭を持ちたい」
私の気持ちにかすかな変化が出てきました。