マメさんとお別れした私は、呆然としていました。

 

大切な人を失ってしまった。

 

母は、自分のせいにするなと言っていたけれど…

 

これは本当に私だけの問題なのだろうか。

 

母が原因で起こったことではないのか。

 

マメさんよりも、私に全ての責任をなすりつける母を取ったことは本当に正しかったのだろうか。

 

間違いなく言えるのは、根本的な問題はマメさんの会社のことではない、ということ。

 

私たち親子の間にある、暗く根深い確執が原因だ。

 

それにマメさんを巻き込むことは得策ではなかったと、自分に言い聞かせました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

婚活を続ける気持ちには到底なれず、仲人さんにはお別れを選んだことと、しばらく休会したい旨を伝えました。

 

仲人さんは『カナは今とても辛いと思うけれど、いつか立ち直れる時が来る。その時はまた一緒に頑張ろう。』と言ってくれました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

お別れしたことは、父には伝えましたが、母には連絡しませんでした。

 

母のことはもう受け入れられないと感じていたからです。

 

それまでも、良い関係ではありませんでしたが、一連の騒動で私ははっきりと母を軽蔑していました。

 

もし母が、『別れたなら元通りね!』と言ってきたとしても、私が会うことはないだろうと思っていました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

そして、ずっとずっと、マメさんのことを考えていました。

 

こんな親を持つ私でも、マメさんは私自身のことを見てくれていました。

 

『カナのご両親がどんな人であっても、俺のカナに対する気持ちは変わらないよ』
 
『俺はカナのためなら、ご両親から何を言われても耐えられるよ』

 

何ヶ月も母からの暴言を受け続けても尚、そう言ってくれていました。

 

 
 
 
 
 
 
 
 

お別れする時、マメさんは言っていました。

 

『この選択が正しいかどうかは、今は誰にもわからない。
 
10年後にみんなが振り返ってみて、ようやくわかるんじゃないかな。』

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

お別れしてしばらく経っても、

 

私の中での『なぜマメさんよりも母を選んでしまったのだろう』という気持ちは変わることがありませんでした。

 

私の頭の中に、母の言葉が浮かんできました。

 
 

カナなんか産まなければまともな人生だったのに…

 
 

何も感じない心のない人たち…

 
 

そんな暴言を吐く人の方を選んでしまった。

 

ただ、自分を産み育ててくれた人だという、それだけの理由で。

 

10年後、私は後悔しているのではないだろうか…。

 

 
 
 
 
 
 
 
 

私は、悩みに悩んだ末、結婚相談所の禁忌をおかしました。

 

お別れしたマメさんに連絡を取ったのです。