私の学生時代に、マリともうひとり、私に大きな影響を与えた人がいます。
部活の仲間であった、ヤスでした。
ヤスは両親が離婚しており、兄妹たちみんな父親が違うという複雑な家庭で育っていました。
そして、親からの愛情に飢えているという共通点があり、私にとっては家庭での辛い出来事に対する一番の理解者でした。
私にとって、マリはオアシスのような存在だったのですが、その一方で「幸せな家庭で育ったマリには、うちのような家族の辛さは本当の意味ではわからないんだろうな」という気持ちもありました。
そのため、家での辛い出来事はどちらかというとヤスに相談することが多かったように思います。
ヤスとは高校3年間を一緒に過ごすうち惹かれ合い、高校を卒業する間近になって「付き合ってほしい」と告白されました。
私にとってヤスはなくてはならない大切な存在でしたが、すでに私が遠方の大学への進学を決めていたこともあり、その時は大切な男友達としての付き合いを続けることを選びました。