そしてついに、私が実家に帰る日がやってきました。

 

本当ならこの日に、『こういう人と結婚したいんだ』と親に話をするつもりでした。

 

それなのに、両親は家庭内別居中、

 

私はすでに親子断絶を言い渡されていました

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

この日のために、私はマメさんの会社のことについて勉強し、

 

マメさんには釣書を用意してもらいました。

 

どうしたら母をちゃんと話ができるのか、その機会が持てたらどういった話をするのか、2人で何度も話し合いを重ねていました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

その日は、夜遅くに実家に到着しました。

 

母の姿は見えません。

 

父は、『とりあえずお風呂に入ったら?話はそれから聞きます』と言いました。

 

お風呂を済ませ、机を挟んで父と向き合いました。

 

『とりあえず、釣書見せて』

 

私は釣書を父に渡し、マメさんと出会った経緯や、なぜマメさんと結婚したいのか、

 

母が問題としている関連会社の業績不振についての、私とマメさんそれぞれの見解を伝えました。

 

すると父はポツポツと話し始めました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

『お父さんは業績不振を出した会社の人が結婚を望んではいけないとは思っていない。
 
お母さんはそうではないようだけど。
 
実はお父さんとお母さんの結婚の時にも、お父さんの両親からすごく反対された。
 
どこの馬の骨かわからないような娘とっていって。
 
それでも結婚して、うまくいってるからなぁ。』

 

『お父さんは私たちのことについて、反対ではないということ?』

 

『反対でも賛成でもないよ』

 

『それなら、一度彼と会ってほしい。
 
彼も自分の口から直接説明したいと言ってる。』

 

『まだ付き合ったばかりだろ?
 
お父さんが会うにはまだ早い。』

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

私は翌日には帰らなければならなかったので、父とは明け方まで話をしていました。

 

母は部屋に鍵をかけ、出てくることはありませんでした。

 

父は穏やかに私の話を聞いてくれて、家庭内別居をされた状況でも『賛成でも反対でもない』と言ってくれました。

 

同じ建物の中に、家庭内別居、親子断絶を言い渡し部屋から一歩も出てこない母がいる中でしたが、一見平和な結婚報告のようにも思えました。

 

ただ、マメさんが共働き希望ということに対しては気に入らなかったようで、

 

ある条件を出されました。