玄関の扉が開き、母が出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無表情で近づいてきた母は、垣根越しに言いました。

 

『いったい、何の用でしょう?』

 

『あのまま絶縁っていうのは納得ができなかったから、会いに来た』

 

『は?何を今更。

 

もう全て終わってるわけでしょう?

 

今までだって、こうやって突然訪ねてくることだってできたのに、やらなかったんだから。

 

お母さんを完全に無視して、全て済ませたのよね?

 

今更一体、私に何を求めるの?

 

どうぞお帰りください。

 

全てあなたが選んだことです。

 

縁を切るということも全部わかってて、その上であなたが選んだんだから。

 

知ったことではありません。

 

お母さんにこれ以上何を求めるっていうの?

 

早くお帰りください❗️

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この言葉を聞いた瞬間、感じました。

 

『母は私に愛情があって、結婚に反対したのではない』

 

『あれだけの事をしておいて、やはり全て私の責任にするんだ』

 

もう何も、母に求めるものはないと思いました。

 

『マメさん、帰ろう。

 

今までありがとうございました。

 

さようなら。』

 

私は涙を堪えて、マメさんと共に実家を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は最後の賭けに、負けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母が気がつくことは、一生ないでしょう。

 

私が母に求めていたことは、

 

幼い頃からずっと、たったひとつのものでした。

 

母親からの愛情

 

ただそれだけが、欲しかったのに…

 

いつまで願っても、それが叶う日は来ないんだ…

 

この日、その事実を思い知りました😔